意味不明彼氏


そういう蓮を見ると、あたしの中にいる小悪魔が動き出してしまう。




「蓮、どした?」

わざと、上目遣いで話す。

この前、実行してめっちゃ成功した罠。


蓮は上目遣いに弱い。


まさに予想通り。

蓮は顔を隠すようにして、下を俯く。


そんな2人を見ていた優。



「何か…雪ちゃんって意外に子悪魔なんだね?」


「へ…っ?小悪魔…?」


蓮がまだ少し赤みがかかった顔をあげて、そう間抜けな声を出す。


「蓮もね、まだまだ健全な男の子なんですよー…」

あたしは優の肩をポンポンと叩いて、笑った。


「だよなあ。こいつ何だかんだ言ってもさあ、やっぱり雪ちゃんの事めーっちゃ愛…」


途中で優の話が途切れ、気付けば蓮が優を殴っていた。


「ああ?俺が何だって?」


険しいお顔の蓮くん。


……怖!!



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