意味不明彼氏
「143ページ」
ボソッと、誰かの声が耳に入る。
先生をチラッと見るが、あたしを睨んだままの状態。
そんな先生に軽く会釈。
今の先生の態度からして、声の主は先生じゃないし…。
蓮は嫌がらせ常連だから、教えてくれるワケないし…。
そんなとき、チラッと目に入ったのが深波。
……ああ。
コイツか。
あたしに手を振って、笑顔を振りまく。
噂によればコイツにはもうファンクラブができたらしい。
うらやまだね。
噂によればあたしには被害者の会なんてものがあるらしい。
あたしは人を被害者に回したコトなんてないんですけどね。
じゃなくて!!
「あ、すいません」
怒り爆発しそうな先生に謝って、あたしは143ページを読み始めた。