意味不明彼氏
* *
「はあ…。雪村。お前はやればできる子なんだから、授業中はちゃんと集中しろ」
あたしが143ページを読み終えると、先生はそう呆れながら言う。
クラス中には、笑いの嵐。
あたしは苦笑いしながら、座った。
そして、一言。
「蓮、優、殺す!!」
誰にも聞こえない声でそう呟いた。
「俺のおかげだったね?」
深波があたしの手を掴んで、そう言った。
「あ、そのセツはどうも」
「今の、貸しだから」
深波はあたしの言葉を遮り、笑顔でそう言った。
「は?」
無意識に喧嘩口調の声になる。
あたしは眉間にしわを寄せて、深波を睨む。