意味不明彼氏
好きだから
蓮は冷たいし毒舌を吐くこともある。
だけど蓮はそれなりにあたしを心配してくれて…。
今日も蓮はあたしの家まで送ってくれた。
「じゃあな。今日の事は、気にするな」
あたしの髪をくしゃくしゃって乱していく。
そんな蓮の滅多に見せない優しさにあたしは耐えることができなかった。
蓮の後ろ姿だけを、見ているだけなんて嫌だ。
「蓮!!!」
気付けばあたしは蓮を呼び止めていた。
蓮はあたしの言葉に反応して後ろを振り返る。
「ん、なに?」
いつもはあたしが呼び止めると、不機嫌な顔を浮かべるのに今日は違う。
いつもよりずっと優しい瞳をしていた。
そんな彼にあたしは一歩ずつ近付いていく。