爽やかエリート御曹司は年下妻を可愛がりたい、愛したい。


 注文し終わったあと、言おうと思ったのにすぐに飲み物とサラダがやってきてしまいフレンチトーストがやってくるまでパパッと食べてしまおうと食べ始める。
 すると、すぐに本命のフレンチトーストがやってきてしまって今言うのは諦めて食べることにした。

 だけど、タイミングを逃したことに安心してしまった。もう言わないまま、このまま逃げてしまいたい。この心地よい空気を壊したくない。



「……奏和ちゃん?」

「あっ、ごめんなさい。ボーっとしてしまって……」

「そうか、体調が悪いんじゃないんだな?」

「はい。体調はとてもいいです!」


 心配させてしまった……やっぱり言わないと、だって事後報告なんて失礼なこと出来ない。

 でも、私は願ってしまった。
 一度だけ、誠さんとデートがしたいと。だから……


「誠さん、お願いがあります」

「……ん? お願い?」

「はい。私と、デートしてほしいんです」


 まだ結婚のことを告げないまま、私は誠さんにお願いをした。
 



 
 
< 12 / 36 >

この作品をシェア

pagetop