爽やかエリート御曹司は年下妻を可愛がりたい、愛したい。



「そうだね、ごはん食べてゆっくり話そう」

「……はい」


 それから、料理が来るまでいつものようになんでもない話をたくさんした。もうこんな穏やかに話すことはないだろうなぁと思ったら急に悲しくなる。


「……奏和ちゃん、どうかした?」

「いえ、なんでもありません。あっ、来たみたいですよ」


 私は店員さんを見つけてそう言うと誠さんは「本当だ、お腹すいたね」と微笑みながら言った。

 頼んだ海鮮丼には王道のマグロや鰤、イカやたこ、卵焼きに鰹のたたきがきれいに並べられており真ん中には尾頭付きの甘エビがある。その見た目だけで食欲がそそられる。隣にはお味噌汁があり、味噌の良い香りがする。


「では、いただきます」

「いただきます」


 手を合わせると箸を持って食べ始める。マグロは脂がのっていて美味しいし、お刺身は分厚いから肉厚で本当に美味しい。ボリュームもいい感じで、赤味噌の味噌汁はアラの出汁が出ていて最高だった。

< 17 / 36 >

この作品をシェア

pagetop