爽やかエリート御曹司は年下妻を可愛がりたい、愛したい。
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式が終わり、披露宴も無事に終わった。
「……じゃ、姉ちゃん。俺は帰るよ」
「うん。ありがとう、和樹」
私は衣装から私服の大人しめのワンピースに着替えて化粧も落としてナチュラルメイクをしてから最後の最後までいてくれた和樹を建物の玄関までお見送りをして別れると控室に戻る。
確か、彼が来てくれるらしいけど……遅いなぁ
色々聞きたい。なぜ、会ってくれなかったのか……とか。だけど、言えなかったとしたら私のせいだ。私があの日、メモだけ置いて帰ったことも要因のような気がする。
「……けど、好きな人ってどういうことなんだろう。総合的に考えると、あの時の『好き』って本音ではないのかもしれない」
はぁ、とため息を吐くとドアのノック音の後に「誠です」と聞こえてきた。それに返答をすると彼が入ってきた。
以前のようなしっかりした感じの服ではなくグレーのパーカーにジーパンを履いていて、この結婚に乗り気じゃなかったことを示している感じだった。
「……奏和、ちゃん。帰ろっか」
「はい……あの、誠さん」
「家に着いたら話そう。まぁ、色々と」
そう言って誠さんは私の手を繋ぐと、空いてる手で荷物を持ってくれてここから出た。
受付の人にお礼をして建物から出ると、すぐ近くにある駐車場に向かった。