臆病な片思い
 ※

「今日はお疲れ様。助かったよ」

パ-ティ-会場から抜け、彼が言う。

「お役に立てて良かったです。では、これで」
「待って」

彼から離れて歩き出そうとした時に腕を掴まれる。

呼吸が止まりそうになる。
何だか、今夜はこんな事ばかり。

「送っていくよ」

いつもだったら、丁重に断る。でも、今夜は断らなかった。もう少しだけ夢を見ていたかったから……。
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