臆病な片思い
※
「氷室社長が辞任されたわ」
次の日、会社に行くと秘書課の先輩が言った。
「どうして!!」
私の大声に先輩が目を丸くする。
「今回の事で責任をとったのよ。株を買い占めて乗っ取ろうとしていたのは社長の最も信頼する部下だったらしいわ。自分より年下の社長に不満があったみたいよ」
酷い。そんな事で彼を裏切ったなんて。
「氷室社長は今どこに?」
彼が心配で、いてもたってもいられなくなる。
「多分、ご自宅かしら」
会社を飛び出した。
走りながら、昨日の彼の様子が変だった事に気づく。
彼は部下に裏切られていた事を知っていて、それで悲しそうだったんだ。
どうして気づいてあげられなかったんだろう。
彼の秘書なのに。
※
「氷室さんなら部屋を引き払いましたよ」
彼のマンションに行くと管理人からそんな言葉を聞かされる。
「引き払ったって、どこに?」
「さぁ? 自分のやりたいた事をしに行くとかって言っていましたが」
自分のやりたい事……。
「氷室社長が辞任されたわ」
次の日、会社に行くと秘書課の先輩が言った。
「どうして!!」
私の大声に先輩が目を丸くする。
「今回の事で責任をとったのよ。株を買い占めて乗っ取ろうとしていたのは社長の最も信頼する部下だったらしいわ。自分より年下の社長に不満があったみたいよ」
酷い。そんな事で彼を裏切ったなんて。
「氷室社長は今どこに?」
彼が心配で、いてもたってもいられなくなる。
「多分、ご自宅かしら」
会社を飛び出した。
走りながら、昨日の彼の様子が変だった事に気づく。
彼は部下に裏切られていた事を知っていて、それで悲しそうだったんだ。
どうして気づいてあげられなかったんだろう。
彼の秘書なのに。
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「氷室さんなら部屋を引き払いましたよ」
彼のマンションに行くと管理人からそんな言葉を聞かされる。
「引き払ったって、どこに?」
「さぁ? 自分のやりたいた事をしに行くとかって言っていましたが」
自分のやりたい事……。