星みたいな恋をしよう
「今日は、誰の尾行調査なんですか?」

「オリバー・ジョーンズだよ」

オスカルがそう言い、チラリと遠くの席を見つめる。絆がそちらに目を向けると、四人の男女が乾杯をして楽しそうに話していた。一番背が高く、そばかすのある赤毛の男性がオリバーである。

「オリバーは大学を卒業してカウンセラーになったものの、すぐに仕事を辞めている。それからはずっとアルバイトで稼いでいるらしい」

「なるほど……」

パブの中は、多くの人たちがお酒を楽しんでいる。その中には友人と来ている人も多く、パブ内は賑やかなのだが、オリバーたちのグループはその中でも一番騒がしく、絆が耳を澄まさずとも会話が聞こえてくる。

「この前、店にとんでもないクレーム親父が来てよ〜、殺してやろうかと思ったわ」

オリバーがそう言うと、仲間たちが「オリバーが言うと冗談に聞こえない」と笑いながら言う。その言葉に絆の目は見開かれる。

(もしかして、この人が光里姉を!?)
< 104 / 151 >

この作品をシェア

pagetop