星みたいな恋をしよう
十分ほど歩いただろうか。絆の歩いている道の先に、ぼんやりとした優しい光が見えてくる。その光に近付くにつれて、絆は温かさを感じた。

「あの光の方へ行けばいいのね!」

絆の顔に笑みが浮かぶ。心の中にあった不安が消え、安心感が込み上げてきた。そのまま絆は走り出す。だが、すぐに何者かに腕を掴まれてしまった。

「きゃあッ!!」

突然のことに絆が悲鳴を上げると、「ごめん!急にびっくりしたよね」と知らない声が降ってくる。絆が振り返ると、そこには癖っ毛の金髪に空のような青い目をした男性が立っていた。

「あなたは……」

どこかで目にしたことがある顔だ。だが、どこで見たのか思い出せない。そもそも大切なことを忘れているような気がし、絆は自身の頭に触れる。

「僕はアルフレッド・ホワイト。よろしくね」

男性ーーーアルフレッドは自己紹介をし、ニコリと笑う。絆は「アルフレッドさん」と名前を呟いた。この名前を自分は知っている。だが思い出せない。すると、アルフレッドが答えを言う。
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