星みたいな恋をしよう
「たまにはコーヒーも飲みたくなるよ」

アーサー教授もマグカップを手にしている。イギリス国旗ではなくアメリカ国旗が描かれたマグカップだ。

「それ、××で売られているマグカップですよね?アメリカに行ったことがあるんですか?」

ジョージが訊ねると、アーサー教授はコーヒーを一口飲んでから言う。

「若い頃にアメリカを旅していてね。その時に買ったんだ。その店、まだあるんだね」

「アメリカかぁ……」

絆の頭に、テレビの映像で見たアメリカの光景が浮かぶ。広大なグランドキャニオンや、十日かけても遊び切れないほど広いディズニーワールド、フランスから贈られた自由の女神ーーー。想像するだけでわくわくしてしまうものばかりだ。

「アメリカ、行ってみたいなぁ」

ポツリと絆が呟くと、ジョージが目を輝かせながら「オスカルさんにそう伝えておきます!!」と言ったので慌てて止める。彼ならやりかねないからだ。

その後は、絆はオスカルのことを少しでも忘れようと二人がどんな事件を解決してきたのか訊ねたものの、ジョージがオスカルがどのように事件を解決したのか話したため、忘れることはできなかった。
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