星みたいな恋をしよう
絆が抵抗したところで、オスカルの手を振り解くことは簡単ではない。むしろ手錠のように絆の手をさらに拘束していくだけだ。

「ねえ絆、今度デートしない?絆の行きたいところ教えてほしいな」

「残念ながら、テイラーと出かけるので」

オスカルのデートの誘いをすぐに断る。すると、オスカルの足がピタリと止まった。絆も不思議に思いながら足を止める。絆の方をオスカルはゆっくりと見た。視線が、絡み合う。

「なら絆、デートが無理ならFBIに協力してほしいな。これならいいでしょ?」

「それはずっとお断りしているはずですが?」

本当に諦めの悪い男だ、と思いながら絆はオスカルを見上げる。エマやジョージはずっと絆が断っているためか、「FBIに協力してほしい」とはもう言わなくなっている。オスカルだけだ、このようなことを言い続けるのは。

「じゃあ絆、俺の推理の答え合わせをしてくれない?」

「答え合わせ?」

絆が訊ねると、オスカルはニッと笑う。オスカルが手を掴む力が少し強まった気がした。
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