星みたいな恋をしよう
「どうして、カウンセラー志望の絆が犯罪心理学を勉強しているのか、ずっと気になっていたんだ」

ドクン、と絆の心臓が嫌な音を立てる。そんな絆の心を見透かしているかのように、オスカルは少しだけ意地悪な顔をしていた。

「絆、君は一人でイギリスに来たわけじゃないんだね。絆のことは、レポートをブラックベル教授から読ませてもらった時にFBIで調べた。小宮山(こみやま)光里さん、君の従姉妹と一緒に絆はあのアパートで住んでいた」

彼ならーーーFBIならそこまで調べるのは簡単だろう。そして、彼の口から最悪の言葉が紡がれようとしている。

「君の従姉妹は、あの部屋で何者かに殺された。その犯人は未だに捕まっていない。だから絆は、犯人を自分の手で捕まえるために犯罪心理学を学んでいる。違う?」

「違います!」

呼吸が乱れる中、絆は否定した。だが、オスカルに握られていない手は喉に触れている。その行動に自分に気付き、絆はハッとした。だが、気付いた時にはもう遅い。オスカルはニヤリと笑っている。
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