星みたいな恋をしよう
そんなアーサー教授の講義はわかりやすく、面白い。アーサー教授の講義の内容は普通の心理学ではなく、犯罪心理学だ。

「呼び出し……もしかして課題に不備があったのかな……」

この前に提出した課題の内容は、実際に起きた未解決事件の犯人像を分析するというものだ。どこの国の事件でもいいと言われたため、絆は前にテレビでやっていたアメリカの未解決事件を選んだ。

(レポート、うまくまとめられたと思ってたんだけどなぁ……)

少し憂鬱な気持ちを感じながら、絆はテイラーと話しながら大学へと歩いた。



今日の講義は午前中だけだった。お昼の十二時を過ぎた頃、絆はアーサー教授がいる部屋のドアをノックする。

「失礼します」

部屋に一歩入ると、紅茶とスコーンの香りが鼻腔に入り込む。部屋の中央に置かれたテーブルには紅茶とケーキスタンドがあり、スーツを着た白髪混じりの髪のアーサー教授がニコニコと笑っている。

「絆、よく来たね。そこに座りなさい」
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