星みたいな恋をしよう
「あの、あたしのレポート、多くの人が読んだんですか?ただの学生のあたしの分析したものを」

「ああ、みんな驚いていたよ。ぜひ絆に一度会いたいと言っていてね」

ニコニコと笑うアーサー教授に、絆はどこか恐怖を覚えた。自分の知らないところで、知らない人間に課題をジロジロと見られたのだ。ゾクリと寒気さえ覚えてしまう。

その時、絆はテーブルの上に置かれたティーカップに気付いた。部屋にいるのはアーサー教授と絆だけだ。だが、テーブルの上に用意されているのはあと四人分。嫌な予感を絆は覚えた。

「あの、もしかしてそのFBIの方々って今日来られますか?」

「来るよ」

アーサー教授がそう言った直後、部屋のドアがノックされた。絆の心臓が跳ね、アーサー教授は嬉しそうに椅子から立ち上がり、ドアの方へと向かう。

ドクドクと心臓の音が大きくなる。絆は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。だが、この部屋は三階で窓から飛び降りるわけにはいかない。出入り口はドア一つだけだ。
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