星みたいな恋をしよう

「……えっと？」

彼の口から出てきた言葉は、絆の全く知らない言語だった。イギリスに来て講義で習ったフランス語でないことだけは発音でわかったが、何語なのかはわからない。

困ってしまう絆を前に、男性はただ優しそうに微笑んでいるだけだ。その様子を見て、後ろにいた女性が呆れたようにため息を吐く。

「ちょっとオスカル！この子、困ってるじゃないの。いい加減、手を離したら？」

「ええ〜……しょうがないなぁ」

男性の口から次に出たのは英語だ。一体彼は何者なのだろうと絆はさらに混乱していく。そこへ紳士的な雰囲気の男性が話しかけてきた。

「色々と驚かせてしまってすまない。私はウィリアム・スターリング。一応彼らの上司という立場にある。今日はどうしても君に会いたくて、アーサー教授に無理を言ってここに来たんだ。突然押しかけてすまない」

ペコリと軽く頭を下げられ、絆は「い、いえ……」と返す。すると女性に話しかけられた。

「私はエマ・ローレンス。あなたの分析力、本当にすごいわね！私たち、実はあなたの分析を元に犯人を逮捕できちゃったのよ」