星みたいな恋をしよう
7、「好き」の理由〜プロファイリングを二人で〜
チクタクと壁掛け時計の針が音を立てる。この時計は、絆がイギリスに来たばかりの頃に、光里と一緒に選んだものだ。ひまわりの花が描かれた時計の下、絆はオスカルから貸して貰った資料に目を通していた。

「最初の被害者は、ペンシルベニア州で農場を経営していた当時五十六歳の男性、ローガン・パーキンソン。三ヶ月後に孫が産まれる予定だった……」

だが、ローガンは何者かによって殺害され、彼が息子からプレゼントされた農具の一つが盗まれていた。

「二人目の被害者は、カリフォルニア州で教師をしていたハリエット・ゴールドスタイン。二週間後に妹の誕生日があり、そのパーティーの準備を楽しそうにしていた……」

だが、ハリエットも何者かによって殺害され、彼女が生徒から自身の誕生日にもらったバースデーカードが盗まれていた。

「この盗まれた物があるという情報を知っているのは、捜査関係者の被害者遺族だけ……」

絆はそう呟き、胸元を強く掴む。光里の事件が起きた後、葬儀の後に警察から言われたことを思い出したのだ。

『光里さんの婚約指輪がなくなったことは、絶対に誰にも言わないでください』
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