【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。

　机の上に置かれている紙に書かれている数値は９５。
「９５パーセント？」
　一人が尋ねると、声をあげた専門家はゆっくりと頷き。
「今までに目にしたことが無い。恐ろしい数値でもある」
「一般的には、結婚が継続する夫婦でもその相性率の平均値が６０パーセントというデータがとれています」
　この数値の信ぴょう性を高めるためにも、既婚者にも協力をしてもらっている。さらに夫婦の場合は、その夫婦のうまくいきそうな相性率までも数値化してある。
「９５パーセントだと？　誰と誰だ」
「男性番号は１５５３。女性番号は７８２です」
「男性番号の１５５３、えっと、魔導士団副団長クリス・ローダーだな」
「なんと」
　その名を耳にした関係者一同がざわりとし始めた。魔導士団副団長クリスといえば、
魔力が高く、なかなかその相手が見つからないという噂があったから。むしろ噂ではなく、真実である。
　魔力が高すぎる者は、相手と交わった時にその相手の命を奪う可能性がある、という話は関係者一同では有名な話。関係者ではないところには知られていない話でもある。
「あのクリスに合うような女性が存在する、だと？」