【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。

　だが、目の前の二人はどうだろう。まあ、見た目はそれなりにお互いに整ってはいる。にも関わらず、子供のようにじゃれ合っている。それが許されるような関係なのだ、この二人は。
「うおっほん」
　ブレナンはわざとらしく咳払いをすると。
「そろそろ本題に入らせてもらってもいいかな」
「あ、すみません。ブレナンさん」
「いや、君たちのそのような姿を見ることができて安心したところではあるが。クリス殿も時間が限られているだろう？　それにフローラ。君の休憩時間はそろそろ終わりではないのか？」
　フローラはブレナンに指摘され、はっとしたようだ。思っていたよりもずっと長く、クリスと絡んでいたらしい。
「すみません。クリス様、ブレナンさん。私、先に戻りますので」
　その部屋の出入り口の扉の前にピシっと立ったフローラは、護衛騎士らしくピシっと背筋を伸ばして挨拶をして立ち去った。ただ彼女が気になったことは、残された二人の男が難しい表情で向かい合っていたことだった。