【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
14.王女と騎士
フローラが休憩を終えジェシカの元へ戻ると、彼女はつまらなさそうに顔を歪めていた。そしてフローラが戻ったところで、今日のフローラのパートナーであるエセラが休憩に入った。そのエセラがいなくなったところで、ジェシカが口を開く。
「ねえ、フローラ。私、今、非常に退屈なの。お茶、淹れてくださらない? できればあなたの分も。私の話相手になってくれるわよね?」
ジェシカの話相手。それは護衛騎士である彼女たちの裏の役目でもあった。表向きはジェシカを護ること。裏向きは彼女の暇つぶしの相手。そういうこと。
「承知しました」
フローラはこの年下の第一王女が嫌いではない。むしろ好意を寄せている。彼女が嫁ぐまで、彼女の護衛騎士を務めあげたいとさえ思っている。だからサミュエルからの結婚の申し込みを断った、というところにいきつく。
ジェシカの前にカチャリとお茶を置くと、隣に座るように促された。
ときどきこの王女は、甘えるようにフローラを隣に侍らせる。
「ねえ、フローラ。あなた、あのクリスとお付き合いをしているって聞いたのだけれど」
唐突にジェシカがそれを口にしたため、フローラはピクリと肩を震わせてしまった。事実ではあるが、それを彼女から言われるとは思っていなかったからだ。
しかも「あのクリス」とまで言われてしまう彼。
「ねえ、フローラ。私、今、非常に退屈なの。お茶、淹れてくださらない? できればあなたの分も。私の話相手になってくれるわよね?」
ジェシカの話相手。それは護衛騎士である彼女たちの裏の役目でもあった。表向きはジェシカを護ること。裏向きは彼女の暇つぶしの相手。そういうこと。
「承知しました」
フローラはこの年下の第一王女が嫌いではない。むしろ好意を寄せている。彼女が嫁ぐまで、彼女の護衛騎士を務めあげたいとさえ思っている。だからサミュエルからの結婚の申し込みを断った、というところにいきつく。
ジェシカの前にカチャリとお茶を置くと、隣に座るように促された。
ときどきこの王女は、甘えるようにフローラを隣に侍らせる。
「ねえ、フローラ。あなた、あのクリスとお付き合いをしているって聞いたのだけれど」
唐突にジェシカがそれを口にしたため、フローラはピクリと肩を震わせてしまった。事実ではあるが、それを彼女から言われるとは思っていなかったからだ。
しかも「あのクリス」とまで言われてしまう彼。