【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「団長。それでは、そういうことでお願いしますね」
エセラのそういうことがどういうことを指しているのか、アダムはもちろんわかっている。
「団長」
そこでまたフローラはそろりと右手を挙げた。
「確認なのですが、今回は、魔導士団の方から人は出るのでしょうか。その、山越えルートということもありますので」
そこで再び、アダムは小さく息を吐いた。
「魔導士団から、人は出ない」
「……っ」
アダムの答えに息を飲んだのはエセラ。
「なぜ?」
「魔導士団から人を出す必要は無い、と、そう大臣が言ったからだ。これはあくまでも外交。魔導士まで連れていったら、体裁が悪いとかなんとか。そんな理由だ」
「ですが、山越えルートですよ?」
バシンとテーブルに手をついて、エセラが立ち上がった。
「わかっている。エセラ、君が言いたいことも。だが、さっきも言ったはずだ。この外交は失敗するためにいろいろ仕組まれている」
「エセラ、落ち着いて。座ってちょうだい」
隣のフローラが彼女を見上げ、そう声をかけるが。
エセラのそういうことがどういうことを指しているのか、アダムはもちろんわかっている。
「団長」
そこでまたフローラはそろりと右手を挙げた。
「確認なのですが、今回は、魔導士団の方から人は出るのでしょうか。その、山越えルートということもありますので」
そこで再び、アダムは小さく息を吐いた。
「魔導士団から、人は出ない」
「……っ」
アダムの答えに息を飲んだのはエセラ。
「なぜ?」
「魔導士団から人を出す必要は無い、と、そう大臣が言ったからだ。これはあくまでも外交。魔導士まで連れていったら、体裁が悪いとかなんとか。そんな理由だ」
「ですが、山越えルートですよ?」
バシンとテーブルに手をついて、エセラが立ち上がった。
「わかっている。エセラ、君が言いたいことも。だが、さっきも言ったはずだ。この外交は失敗するためにいろいろ仕組まれている」
「エセラ、落ち着いて。座ってちょうだい」
隣のフローラが彼女を見上げ、そう声をかけるが。