【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「当然です」
「ですが、もし、もしもです。もし、私が、ジェシカ様が嫁がれるときに、共にアリハンスへ行くという判断をしたら、クリス様は、その……」
 ふむ、と彼は唸った。少し考えているようだ。
「問題ありませんね。そのときは私もあなたについてアリハンスへ行くだけです。そして、あなたがあの王女、いや、その頃は王子妃か王太子妃か、まあ、その護衛を辞めるタイミングで戻ってくればいい」
 何か問題でも、と言うようにフローラを見下ろした。フローラ自身としては問題がないのだが、そもそもクリスと出会ったきっかけはこの国の政策によるもの。
 その二人が隣国へ行くということ自体に問題は無いのだろうか。
< 132 / 254 >

この作品をシェア

pagetop