【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
この状況ではフローラの方が不利だ。両手は彼によって拘束されている。となると、自由になるのは足しかない。
フローラは身体を寄せてくるサミュエルに向かって、勢いよく膝を立てた。狙いはみぞおち、一瞬だけでも呼吸を乱すことができればいい、それが目的。
彼のみぞおちに向かって足を伸ばす。
「うっ……」
見事、フローラの足は狙った場所を直撃した。ほんの少しだけ、自分から離れてくれればいいと思っていた。
その隙に、フローラはコロンと転がって寝台より降りる。寝台を挟んで、フローラはジリリとサミュエルと対峙する形になる。
こうやって立ち上がって気づいた。帰宅して着替えもせずにあそこに転がり込んだのだろう。騎士服のままで良かったと思えた。
サミュエルから目を逸らさず距離を保とうとしているフローラではあるが、この場合、次の行動としてどうするのがいいのかがさっぱりわからなかった。
このままこの場にとどまっては、間違いなく彼に捕まる。いくら自分も女性騎士という立場であっても、相手も男性騎士。しかも警備隊長を務めあげているくらいだから、フローラ一人で敵う相手でもない。
フローラは身体を寄せてくるサミュエルに向かって、勢いよく膝を立てた。狙いはみぞおち、一瞬だけでも呼吸を乱すことができればいい、それが目的。
彼のみぞおちに向かって足を伸ばす。
「うっ……」
見事、フローラの足は狙った場所を直撃した。ほんの少しだけ、自分から離れてくれればいいと思っていた。
その隙に、フローラはコロンと転がって寝台より降りる。寝台を挟んで、フローラはジリリとサミュエルと対峙する形になる。
こうやって立ち上がって気づいた。帰宅して着替えもせずにあそこに転がり込んだのだろう。騎士服のままで良かったと思えた。
サミュエルから目を逸らさず距離を保とうとしているフローラではあるが、この場合、次の行動としてどうするのがいいのかがさっぱりわからなかった。
このままこの場にとどまっては、間違いなく彼に捕まる。いくら自分も女性騎士という立場であっても、相手も男性騎士。しかも警備隊長を務めあげているくらいだから、フローラ一人で敵う相手でもない。