【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。

「その１０００の質問から、相性の良い男女の組み合わせを作ろうと考えた」
　隣のクリスがピクリと反応した。ここまできたら、フローラだってなんとなくその先の展開を予測できる。
「その結果。クリス・ローダー、フローラ・ヘルム。君たちの組み合わせが相性率９５パーセントという驚異の数値を叩き出した」
「え」
　フローラが身を震わせてしまったから、膝がテーブルの縁にあたってしまった。テーブルの上にあった食器が、カチャリと音を立てる。
「も……、申し訳ございません」
　両手で口元を押さえながら、フローラは謝った。
「フローラ嬢が驚くのも無理はない」
　そんな宰相のさりげない一言が、彼女の心を救った。
　続けてもいいか、という意味を込めて国王は宰相の方を向く。彼は頷く。
「一般的にこの相性率という数値だが、婚姻関係が続く男女でさえその６０パーセントが平均であると言われている。そのなかで９５パーセントという数値がどれだけ高いか、ということが理解してもらえるかと思うのだが」
「ちなみに、国王陛下夫妻は平均より高い８０パーセントでした」
　宰相からのフォロー。さらにちなみに、この宰相夫妻は、６０パーセントという平均値である。