【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
宝物庫には二つの部屋があり、本当にお宝が置いてあって厳重に物が保管されている宝物庫と、ガラクタのようなものが置いてあるなんちゃって宝物庫だ。
このなんちゃって宝物庫は、盗まれてもいいような、見た目だけはお宝っぽいものを置いてある宝物庫。そして、このなんちゃっての隣には冷牢と呼ばれるその賊を閉じ込めるような部屋まであるから、このなんちゃって宝物庫の役割というのがよくわかる。
本来なら厳重に鍵が掛けられているその宝物庫へとつながる地下の階段への入り口が、ほんの少し開いていた。
「やっぱり?」
フローラはナッティと顔を見合わせる。ジェシカはこの階段を降りて行ったのだろうか。先に進むに連れ薄暗くなっていくその階段を、燭台を片手にゆっくりと降りる。なんちゃって宝物庫、つまり第一宝物庫の扉がうっすらと開いている。中に人がいますよ、と言っているようなものだ。
「ジェシカ様」
フローラは声をかけながら、その第一宝物庫の中へと入る。続いてナッティも。
「ジェシカ様」
誰かがいそうな気がするのに、返事は無い。
このなんちゃって宝物庫は、盗まれてもいいような、見た目だけはお宝っぽいものを置いてある宝物庫。そして、このなんちゃっての隣には冷牢と呼ばれるその賊を閉じ込めるような部屋まであるから、このなんちゃって宝物庫の役割というのがよくわかる。
本来なら厳重に鍵が掛けられているその宝物庫へとつながる地下の階段への入り口が、ほんの少し開いていた。
「やっぱり?」
フローラはナッティと顔を見合わせる。ジェシカはこの階段を降りて行ったのだろうか。先に進むに連れ薄暗くなっていくその階段を、燭台を片手にゆっくりと降りる。なんちゃって宝物庫、つまり第一宝物庫の扉がうっすらと開いている。中に人がいますよ、と言っているようなものだ。
「ジェシカ様」
フローラは声をかけながら、その第一宝物庫の中へと入る。続いてナッティも。
「ジェシカ様」
誰かがいそうな気がするのに、返事は無い。