【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
魔力の種類を探ることはできるが、その魔力が誰のものかということを探るのは難しい。むしろ、できないに等しいとさえ言われている。
「ええ。何のために毎日毎日、自身を彼女に注ぎ込んでいると思っているんですか」
ピシッと空気が固まった。
アダムが今日も苦虫を噛みつぶしたような表情をしている。
「え、副団長って、ぜ……」
その続きを言おうとしたところを、無理やりノルトの手で口を塞がれたのは二次元発言の男である。
「まあ、いい。クリスはフローラ嬢を探れ。アダム、騎士団にはジェシカ様を任せる。俺たちは闇魔法の使い手を探し出す」
クリスがフローラを探し、騎士団がジェシカを探すということは、不本意ながらこの二つは協力するという形になる。
「では、参りましょうか」
クリスがその言葉をアダムにかけると、彼はじろりとクリスを睨んでからその言葉に従う。
「恐らく、こちらに」
クリスが、フローラが攫われたことに気付いたのは、感じる彼女の魔力の場所が変わったからだ。あの研究室ではない他の場所。だが、いまいち場所を特定することができないのはなぜか。
今は彼女の残留魔力を探るような形で追っている。
「ええ。何のために毎日毎日、自身を彼女に注ぎ込んでいると思っているんですか」
ピシッと空気が固まった。
アダムが今日も苦虫を噛みつぶしたような表情をしている。
「え、副団長って、ぜ……」
その続きを言おうとしたところを、無理やりノルトの手で口を塞がれたのは二次元発言の男である。
「まあ、いい。クリスはフローラ嬢を探れ。アダム、騎士団にはジェシカ様を任せる。俺たちは闇魔法の使い手を探し出す」
クリスがフローラを探し、騎士団がジェシカを探すということは、不本意ながらこの二つは協力するという形になる。
「では、参りましょうか」
クリスがその言葉をアダムにかけると、彼はじろりとクリスを睨んでからその言葉に従う。
「恐らく、こちらに」
クリスが、フローラが攫われたことに気付いたのは、感じる彼女の魔力の場所が変わったからだ。あの研究室ではない他の場所。だが、いまいち場所を特定することができないのはなぜか。
今は彼女の残留魔力を探るような形で追っている。