【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
うっすらと認識することができるジェシカに近づき、フローラは彼女の両手両足を拘束しているものと、言葉を封じられているものを解いた。
「フローラ」
ジェシカは彼女に抱きついた。一瞬、フローラは驚いたが、その彼女の身体が震えていることに気付いて、そっと優しく背中を撫でる。
「ジェシカ様。なぜ、このような場所に?」
フローラがそう問うと、ジェシカの身体の震えが止まった。
「そんなの、あの女のせいに決まってるでしょ」
「あの女?」
「ナッティよ」
「ナッティが?」
ジェシカの口から意外な人物の名前が飛び出てきたわけだが、そう言われると全く心当たりがないわけではない。そもそも、フローラをここにおびき寄せ、こうやって閉じ込めたのがナッティ本人だ。だけど不思議なもので、認めたくない事実ということはどこかで考えることを拒むものだったらしい。
「ねえ、フローラ。ここって冷牢でしょ?」
「ええ、そうですね」
「早くここから出ないと」
「誰かが助けに来てくださいますよ」
「ねえ、フローラ。もしかして冷牢について、よくわかってないんじゃないの?」
「フローラ」
ジェシカは彼女に抱きついた。一瞬、フローラは驚いたが、その彼女の身体が震えていることに気付いて、そっと優しく背中を撫でる。
「ジェシカ様。なぜ、このような場所に?」
フローラがそう問うと、ジェシカの身体の震えが止まった。
「そんなの、あの女のせいに決まってるでしょ」
「あの女?」
「ナッティよ」
「ナッティが?」
ジェシカの口から意外な人物の名前が飛び出てきたわけだが、そう言われると全く心当たりがないわけではない。そもそも、フローラをここにおびき寄せ、こうやって閉じ込めたのがナッティ本人だ。だけど不思議なもので、認めたくない事実ということはどこかで考えることを拒むものだったらしい。
「ねえ、フローラ。ここって冷牢でしょ?」
「ええ、そうですね」
「早くここから出ないと」
「誰かが助けに来てくださいますよ」
「ねえ、フローラ。もしかして冷牢について、よくわかってないんじゃないの?」