【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「話がわかる王女様は好きですよ」
クリスが言うと、ジェシカはふん、と顔を背ける。
「仕方ないから、新婚旅行でアリハンスに来ることだけは認めてあげるわ」
そう言葉にするジェシカは顔を背けたままだ。
クリスとジェシカは似ているところがある。この素直ではない、ひねくれているところだ。
二人は気づいているのかどうか知らないが、他人が指摘すれば「そんなことはない」と否定するのが目に見ている。
「ジェシカ様。ジェシカ様がアリハンスへ行くその時までは、お側にいても?」
フローラが尋ねると。
「当たり前でしょ。それまでは、私の護衛騎士なんだからね。そこのクリスによって孕まされて、辞めることは許さないからね」
「大丈夫ですよ。あと一か月で孕んだとしても、気が付きませんから」
そんなクリスの言い訳はわけがわからない。
「あ、ジェシカ。その、ナッティのことだけど」
ジェシカはフローラに顔を向けた。彼女の目はクリスがいないかのように、フローラだけを見ている。
「何か、聞いてる?」
「いいえ、私の方は何も」
「そう」
ジェシカは静かに目を伏せた。
クリスが言うと、ジェシカはふん、と顔を背ける。
「仕方ないから、新婚旅行でアリハンスに来ることだけは認めてあげるわ」
そう言葉にするジェシカは顔を背けたままだ。
クリスとジェシカは似ているところがある。この素直ではない、ひねくれているところだ。
二人は気づいているのかどうか知らないが、他人が指摘すれば「そんなことはない」と否定するのが目に見ている。
「ジェシカ様。ジェシカ様がアリハンスへ行くその時までは、お側にいても?」
フローラが尋ねると。
「当たり前でしょ。それまでは、私の護衛騎士なんだからね。そこのクリスによって孕まされて、辞めることは許さないからね」
「大丈夫ですよ。あと一か月で孕んだとしても、気が付きませんから」
そんなクリスの言い訳はわけがわからない。
「あ、ジェシカ。その、ナッティのことだけど」
ジェシカはフローラに顔を向けた。彼女の目はクリスがいないかのように、フローラだけを見ている。
「何か、聞いてる?」
「いいえ、私の方は何も」
「そう」
ジェシカは静かに目を伏せた。