【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「ああ、もちろんだ」
そこで父親は嬉しそうに笑うと、お茶を一口飲んだ。
「そうか。フローラの相手があのローダー殿の息子とは。何か縁を感じるな」
この父親の思わせぶりのような口調は何なのか。
「ところで、一つ。確認させていただきたいのですが」
「何だろうか」
「フローラの母親は、その。聖人であったということで、間違いないのでしょうか」
父親が息を飲んだように思えた。だが、すぐに深く息を吐く。
「そう、だな。気付いた、のか? 一応、シーラはフローラの魔力を封じたはずだったのだが。いや、そうか。君と出会ったから、それが解けたのか……」
シーラとはフローラの母親の名前だろう。聖人として扱われていた彼女は、資料の中でも聖人としか記載されていない。既に個人名さえも失っていたはずだ。
「やはり」
クリスは呟いた。彼女の魔力を封じたのは、彼女の母親だったのだ。
「どこから、話そうか。少し長くなるが、良いか?」
父親の言葉に、フローラとクリスは揃って頷いた。
そこで父親は嬉しそうに笑うと、お茶を一口飲んだ。
「そうか。フローラの相手があのローダー殿の息子とは。何か縁を感じるな」
この父親の思わせぶりのような口調は何なのか。
「ところで、一つ。確認させていただきたいのですが」
「何だろうか」
「フローラの母親は、その。聖人であったということで、間違いないのでしょうか」
父親が息を飲んだように思えた。だが、すぐに深く息を吐く。
「そう、だな。気付いた、のか? 一応、シーラはフローラの魔力を封じたはずだったのだが。いや、そうか。君と出会ったから、それが解けたのか……」
シーラとはフローラの母親の名前だろう。聖人として扱われていた彼女は、資料の中でも聖人としか記載されていない。既に個人名さえも失っていたはずだ。
「やはり」
クリスは呟いた。彼女の魔力を封じたのは、彼女の母親だったのだ。
「どこから、話そうか。少し長くなるが、良いか?」
父親の言葉に、フローラとクリスは揃って頷いた。