【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
身につけている夜着が色っぽいのは、恐らくここの侍女たちが若奥様のためにと、頭を悩ませて選んでくれたからに違いない。さすが父親に仕えている優秀な侍女たちだ、とクリスは勝手に思っていた。
「ああ、クリス。どうかした?」
「いえ、どうもしません。やっとあなたを抱けるかと思うと、気持ちが抑えられなくて」
ふふっと、フローラが笑った。
「クリスらしいわね」
「私のことを理解してもらえて、何よりです」
そこでクリスはフローラと並んで座る。
「フローラ。一つ、あなたに伝えることを忘れていたのですが」
「何かしら?」
フローラが首を回して、クリスの顔を見上げた。
じっと二人は見つめ合う。だが、クリスが目を伏せた。
「私の母親は、私を生んですぐに亡くなったのですが」
「ええ、それは以前、聞いたわ」
「原因が私にあった、と言ったら、あなたは私を嫌いになりますか?」
その言葉にフローラは首を傾げる。
「私の魔力が強すぎて、母親の生命力を奪ってしまったのです。本来であれば、生まれてから高める魔力ですが、極稀に、その腹の中で魔力が高まってしまうことがあるそうで。それで」
「ああ、クリス。どうかした?」
「いえ、どうもしません。やっとあなたを抱けるかと思うと、気持ちが抑えられなくて」
ふふっと、フローラが笑った。
「クリスらしいわね」
「私のことを理解してもらえて、何よりです」
そこでクリスはフローラと並んで座る。
「フローラ。一つ、あなたに伝えることを忘れていたのですが」
「何かしら?」
フローラが首を回して、クリスの顔を見上げた。
じっと二人は見つめ合う。だが、クリスが目を伏せた。
「私の母親は、私を生んですぐに亡くなったのですが」
「ええ、それは以前、聞いたわ」
「原因が私にあった、と言ったら、あなたは私を嫌いになりますか?」
その言葉にフローラは首を傾げる。
「私の魔力が強すぎて、母親の生命力を奪ってしまったのです。本来であれば、生まれてから高める魔力ですが、極稀に、その腹の中で魔力が高まってしまうことがあるそうで。それで」