【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「あぁ。やはりあなたの中は気持ちがいい。動いてもいいですか?」
 もちろんフローラは、目尻に涙を溜めながらもそれに頷く。
 二人は隙間なくぴったりと重なり合う。
 クリスが顔を歪めると、彼女の腰に手を回した。もうクリス自身もそうやって彼女を楽しむような余裕がなくなってきたのだ。
「んっ……」
 フローラを何度か()かせた後、クリスはその奥で己の欲を全て吐き出した。全てを彼女の胎の中に収めるかのように、ぐっぐっと腰を奥へ奥へと押し付ける。
「愛しています、フローラ」
 クリスが彼女の額に優しく口づける。
「私も、愛してる。私と出会ってくれてありがとう」
 うっすらと彼女の目尻には、涙が浮かんでいた。

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