【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
それについて宰相は、付き合っても結婚しても、フローラは仕事を辞める気は無い、むしろクリスも仕事を続けることを応援していると、言っていた。それによってなんとかアダムは納得してくれた。納得したところで、アダムはフローラのシフト情報をノルトに横流しするという協力はする、と言ってくれた。何しろこれは、国をあげての政策だ。これへの協力を拒んだのであれば、非国民と訴えられても仕方がない、かもしれない。
「とりあえず、これがフローラ嬢のシフト表だ。その日に合わせて、お前の仕事も休みにする。だからその日は、フローラ嬢に会え」
「会え、ということは。それは命令ですか?」
「ああ、そうだ。だが俺からの命令ではない。陛下からの言葉だと思ってくれ」
「まったく。好いた女性に会うのも、陛下の命令なのですね」
お、とノルトは思った。今、クリスは「好いた女性」と言った。その好いたが、空いたでも透いたでもないことはなんとなくわかる。
「お前が自主的に会おうとしない限りは、陛下からの命令だと思ってもらってかまわないそうだ」
「とりあえず、これがフローラ嬢のシフト表だ。その日に合わせて、お前の仕事も休みにする。だからその日は、フローラ嬢に会え」
「会え、ということは。それは命令ですか?」
「ああ、そうだ。だが俺からの命令ではない。陛下からの言葉だと思ってくれ」
「まったく。好いた女性に会うのも、陛下の命令なのですね」
お、とノルトは思った。今、クリスは「好いた女性」と言った。その好いたが、空いたでも透いたでもないことはなんとなくわかる。
「お前が自主的に会おうとしない限りは、陛下からの命令だと思ってもらってかまわないそうだ」