【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
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そして、一方。こちらはフローラ。フローラも同じように騎士団の団長であるアダムに呼び出されていた。ちょうど、ジェシカの護衛を終え、次の騎士と交代したときだった。
「フローラ。何故君が今、ここに呼び出されているか、わかるか?」
机を挟んで、フローラとアダムは向かい合っている。その机はアダムの執務用の机。だからアダムは座っているし、フローラは立っている形になる。
「いえ。心当たりはございません」
「フローラ。君が、あの魔導士団副団長のクリスとお付き合いを始めたと聞いたのだが」
アダムがそれを口にした途端、面白いくらいにフローラの顔が赤くなった。国の政策とは聞いてはいたのだが、付き合い始めたというのは事実なのだろう、とアダムは悟った。
「あの……。団長は、どこから……、そのお話を……?」
「ああ、宰相から聞いた」
「あ、そうですか。聞かれたのですね。その……、私とクリス様の関係を」
関係と彼女が口にすれば、赤く染まっている頬は耳まで赤くなっていく。
「フローラ。俺が記憶している限りでは、君は警備隊長のサミュエルと付き合っていたのではないか?」
しまった、とアダムは思った。これは地雷だったか、と。
そして、一方。こちらはフローラ。フローラも同じように騎士団の団長であるアダムに呼び出されていた。ちょうど、ジェシカの護衛を終え、次の騎士と交代したときだった。
「フローラ。何故君が今、ここに呼び出されているか、わかるか?」
机を挟んで、フローラとアダムは向かい合っている。その机はアダムの執務用の机。だからアダムは座っているし、フローラは立っている形になる。
「いえ。心当たりはございません」
「フローラ。君が、あの魔導士団副団長のクリスとお付き合いを始めたと聞いたのだが」
アダムがそれを口にした途端、面白いくらいにフローラの顔が赤くなった。国の政策とは聞いてはいたのだが、付き合い始めたというのは事実なのだろう、とアダムは悟った。
「あの……。団長は、どこから……、そのお話を……?」
「ああ、宰相から聞いた」
「あ、そうですか。聞かれたのですね。その……、私とクリス様の関係を」
関係と彼女が口にすれば、赤く染まっている頬は耳まで赤くなっていく。
「フローラ。俺が記憶している限りでは、君は警備隊長のサミュエルと付き合っていたのではないか?」
しまった、とアダムは思った。これは地雷だったか、と。