【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「一応、夢ではないようですね。あなたの手からあなたの体温を感じていますから」
彼の言葉で、フローラ自身も、繋いだその手からクリスの手の温かさを感じていた。
「着きました。ここです」
何かの怪しい店の前で、クリスは足を止めた。何の店であるか、フローラにはわからない。
「魔導書の店です」
フローラの心を読んだかのように、クリスが言った。
「魔導書? もしかして、このお店にはそういった魔導書がたくさんあるのですか?」
フローラはついつい確認してしまった。
「そうです。フローラは、このような店に来るのは初めてですか?」
「あ、はい。初めてです。その……、あまり町を出歩くようなことも無かったので。必要最低限の買い物しかしていませんでしたので」
しかも買い物はほとんど家の近くの露店が多かった。
「フローラなら気に入ってくれるのではないか、と思ってこちらを選んだのですが」
「はい、もちろんです。とても興味深いです」
いつもなら顔中を赤く染めるフローラなのだが、今日は興奮のためかその頬だけをほんのりと薄紅色に染めていた。
カランカランと入り口のベルを鳴らして中に入ると、入った途端びっちりと本を詰め込んだ棚が目に入る。
彼の言葉で、フローラ自身も、繋いだその手からクリスの手の温かさを感じていた。
「着きました。ここです」
何かの怪しい店の前で、クリスは足を止めた。何の店であるか、フローラにはわからない。
「魔導書の店です」
フローラの心を読んだかのように、クリスが言った。
「魔導書? もしかして、このお店にはそういった魔導書がたくさんあるのですか?」
フローラはついつい確認してしまった。
「そうです。フローラは、このような店に来るのは初めてですか?」
「あ、はい。初めてです。その……、あまり町を出歩くようなことも無かったので。必要最低限の買い物しかしていませんでしたので」
しかも買い物はほとんど家の近くの露店が多かった。
「フローラなら気に入ってくれるのではないか、と思ってこちらを選んだのですが」
「はい、もちろんです。とても興味深いです」
いつもなら顔中を赤く染めるフローラなのだが、今日は興奮のためかその頬だけをほんのりと薄紅色に染めていた。
カランカランと入り口のベルを鳴らして中に入ると、入った途端びっちりと本を詰め込んだ棚が目に入る。