【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「失礼ですが。その、フローラは長くお付き合いをされていた男性がいらしたのですよね。その方と一緒に食事などはしなかったのでしょうか」
それに今日、このように出かけるのも初めてだと言っていた。
「あ、はい。その、こうやって出掛けるようなことはしなかったので。食事はいつも私が作っていましたし」
「では、出かけないのであれば、二人で何をなさって、時間を過ごされていたのですか?」
「え、と。それは、その……」
と言い淀み、また顔中を真っ赤に染めてしまったために、クリスは察した。
大した元カレ野郎だな、と思った。だがその元カレによって彼女が穢されてしまったようにも感じた。いや、それはいい。上書きしてやればいいだけだ。
「すいません、フローラ。あなたを困らせるつもりはないのです。ですが、あなたがやりたいこと、見たいこと、食べたい物があったら、それを教えてはいただけませんか? 私もあなたの気持ちを知りたいのです」
フローラは驚いたようにクリスの顔を見上げた。
「どうかしましたか?」
「いえ……。そのようなことを言われたのが初めてでしたので……。その、すぐには思い浮かばないかもしれませんが。何かあったら、すぐにクリス様にお伝えするようにします」
それに今日、このように出かけるのも初めてだと言っていた。
「あ、はい。その、こうやって出掛けるようなことはしなかったので。食事はいつも私が作っていましたし」
「では、出かけないのであれば、二人で何をなさって、時間を過ごされていたのですか?」
「え、と。それは、その……」
と言い淀み、また顔中を真っ赤に染めてしまったために、クリスは察した。
大した元カレ野郎だな、と思った。だがその元カレによって彼女が穢されてしまったようにも感じた。いや、それはいい。上書きしてやればいいだけだ。
「すいません、フローラ。あなたを困らせるつもりはないのです。ですが、あなたがやりたいこと、見たいこと、食べたい物があったら、それを教えてはいただけませんか? 私もあなたの気持ちを知りたいのです」
フローラは驚いたようにクリスの顔を見上げた。
「どうかしましたか?」
「いえ……。そのようなことを言われたのが初めてでしたので……。その、すぐには思い浮かばないかもしれませんが。何かあったら、すぐにクリス様にお伝えするようにします」