【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「その、すみません。変なことを尋ねました」
「いえ。その、クリス様は私のことを知りたいと思って聞いてくださったんですよね。そのお気持ちだけで、嬉しいです。だから、あの、私にもクリス様のことをもっと教えてくださいませんか?」
 彼女の言葉に、クリスの胸がえぐられた。
 その後、クリスの案内で甘いお菓子の店を訪れ、お互いに好きなお菓子を買って、その日は別れた。
 別れ際。
「あの。こうやってまた会いするようなときには、クリス様の好きなお菓子を作ってきてもいいですか」
 フローラが聞いてきた。
 それを断る理由など、クリスには無い。
 楽しみにしています、と答えた。
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