【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
こう見えてもノルトは魔導士団団長だ。彼が団長になったのも、物事を広く浅く捕らえることができるから。狭く深くのクリスでは団長には適していない。むしろ、この副団長というポジションもいらないところなのだが、ノルトを扱えるような人間はクリスしかいない、ということもあって不本意ながら副団長という地位にいた。
「ところで不思議なことを聞いたのです。フローラ嬢は騎士団に入団してから魔法騎士になったそうなのです。どうやらそれまで、彼女は自分が魔法を使えることを知らなかったようなのですよ」
「ほう」
ノルトは唸った。少なくともその話に興味はある。
「しかも、魔法付与は見様見真似でと、恐ろしいことを口にしました」
「あれは見様見真似でできるようなものじゃないぞ。俺ら魔導士だって、攻撃魔法の魔法付与はできないんだからな。特殊すぎるから、魔法騎士って呼ばれているんだろうが」
「ええ。ですから、彼女はなぜ学生時代に魔法が使えることに気付かなかったのか。恐らく入学するときの魔力量鑑定さえもすり抜けてきている。それが、学園を卒業し騎士団に入団してから急に使えるようになった。こんな話、今まで聞いたことありますか?」
いや、ない。とすぐさまノルトは首を横に振る。腕を組み、考える。目の前のクリスも何やら考えている様子。
「ところで不思議なことを聞いたのです。フローラ嬢は騎士団に入団してから魔法騎士になったそうなのです。どうやらそれまで、彼女は自分が魔法を使えることを知らなかったようなのですよ」
「ほう」
ノルトは唸った。少なくともその話に興味はある。
「しかも、魔法付与は見様見真似でと、恐ろしいことを口にしました」
「あれは見様見真似でできるようなものじゃないぞ。俺ら魔導士だって、攻撃魔法の魔法付与はできないんだからな。特殊すぎるから、魔法騎士って呼ばれているんだろうが」
「ええ。ですから、彼女はなぜ学生時代に魔法が使えることに気付かなかったのか。恐らく入学するときの魔力量鑑定さえもすり抜けてきている。それが、学園を卒業し騎士団に入団してから急に使えるようになった。こんな話、今まで聞いたことありますか?」
いや、ない。とすぐさまノルトは首を横に振る。腕を組み、考える。目の前のクリスも何やら考えている様子。