【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
 はあ、とため息をついて両手で顔を覆う。
「これでは、魔導士や騎士の血を継ぐ者たちが途絶えてしまうし、少子化へとつながってしまう」
「陛下」
 声をあげたのは宰相である。
「やはり、ここは政策を行うべきではないでしょうか」
「政策? どのような?」
 すかさず国王が尋ねた。
「強制婚……」
「それは、反対です」
 教育担当大臣の強制婚という言葉に手を挙げたのは、宰相である。
「強制的に結婚をさせても、二人の間に愛情が生まれなければ長続きはしません。二人の間に子どももできない。仮に子どもができたとしても、やはり愛情が無ければどうなるのか、ということを考えていただきたいものです。子どもを授かってしまえば、それは二人だけの問題ではない。子どもの人生にも影響します」
「やはり、愛情……か」
 国王は呟く。自分だって政略結婚のような流れで結婚した人間ではあるが、だからといって妻を嫌いではない。むしろ愛している。政略結婚がきっかけで生まれた愛情といっても過言ではない。
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