【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「クリス様。その、こちらになります」
すすっと、フローラがお菓子を差し出した。受け取ったクリスは膝の上でその包みを開けた。三口ほどで食べることができる焼き菓子のようだ。
「あなたがこれを作ったのですか?」
クリスが尋ねると、フローラは恥ずかしそうに頷く。
「食べてもいいですか?」
尋ねると、その言葉にも彼女は頷く。
サミュエルだったならば、そこにお菓子があれば何も言わず食べる。それが買ってきたものであっても、フローラが作ったものであっても、お菓子というカテゴリでひとくくりされてしまう。
だけどクリスは、嬉しそうにそれを口元へ運んでいる。だからついついフローラも、「どうですか?」と聞いてしまった。
「ええ、美味しいですよ。とても優しい味がしますね」
美味しいだけでなく、優しい味という表現。きっとクリスなりの気遣いなのだろう、とも思う。
「あなたも食べてみますか?」
クリスは柔らかく微笑んでいる。え、と見上げるフローラ。
すすっと、フローラがお菓子を差し出した。受け取ったクリスは膝の上でその包みを開けた。三口ほどで食べることができる焼き菓子のようだ。
「あなたがこれを作ったのですか?」
クリスが尋ねると、フローラは恥ずかしそうに頷く。
「食べてもいいですか?」
尋ねると、その言葉にも彼女は頷く。
サミュエルだったならば、そこにお菓子があれば何も言わず食べる。それが買ってきたものであっても、フローラが作ったものであっても、お菓子というカテゴリでひとくくりされてしまう。
だけどクリスは、嬉しそうにそれを口元へ運んでいる。だからついついフローラも、「どうですか?」と聞いてしまった。
「ええ、美味しいですよ。とても優しい味がしますね」
美味しいだけでなく、優しい味という表現。きっとクリスなりの気遣いなのだろう、とも思う。
「あなたも食べてみますか?」
クリスは柔らかく微笑んでいる。え、と見上げるフローラ。