【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「てことは、やっぱりあのジェシカ様の護衛を務めているフローラ嬢がお前のフローラ嬢なのか?」
「ですから、先ほどからそう言っていますよね?」
「いや、だから。お前から話を聞いているのと、その護衛騎士のフローラ嬢があまりにも違い過ぎて、だな」
そう言われると、クリスは仕事先のフローラを見かけたことはない。職場も異なるし、お互いの役目が異なるからそれは仕方ないことだと思っているし、まして仕事をしている彼女の邪魔をしたくない、とも思っていた。
「いや、ま、いいんだ」
「いえ。よくはありませんね。私でさえ見たことの無い仕事場の彼女を、なぜ団長であるあなたが見ているんですか」
理不尽な質問だ。ノルトから言わせると仕事だから、自分が団長という地位に不本意ながら就いているため、なのだが。
「さっき、招集をかけられたんだ。ジェシカ様の外交の件で。そこでフローラ嬢を見かけたから、お前の相手かと思って四度見してしまった」
「四回も見ないでください。彼女が腐ります」
「いや、一度目は、あの護衛がお前の相手かぁと思って何気なく見た。二度目は、お前から話を聞いていたのと違うなと思って見た。三度目は、やっぱりあの護衛がお前の相手なのか? と思って見た。四度目はやっぱりお前の相手はあの護衛ではないのではないかと思って見た。とにかく、お前から話を聞いているフローラ嬢と、ジェシカ様の護衛騎士を務めているフローラ嬢は別人にしか見えない」
「ですから、先ほどからそう言っていますよね?」
「いや、だから。お前から話を聞いているのと、その護衛騎士のフローラ嬢があまりにも違い過ぎて、だな」
そう言われると、クリスは仕事先のフローラを見かけたことはない。職場も異なるし、お互いの役目が異なるからそれは仕方ないことだと思っているし、まして仕事をしている彼女の邪魔をしたくない、とも思っていた。
「いや、ま、いいんだ」
「いえ。よくはありませんね。私でさえ見たことの無い仕事場の彼女を、なぜ団長であるあなたが見ているんですか」
理不尽な質問だ。ノルトから言わせると仕事だから、自分が団長という地位に不本意ながら就いているため、なのだが。
「さっき、招集をかけられたんだ。ジェシカ様の外交の件で。そこでフローラ嬢を見かけたから、お前の相手かと思って四度見してしまった」
「四回も見ないでください。彼女が腐ります」
「いや、一度目は、あの護衛がお前の相手かぁと思って何気なく見た。二度目は、お前から話を聞いていたのと違うなと思って見た。三度目は、やっぱりあの護衛がお前の相手なのか? と思って見た。四度目はやっぱりお前の相手はあの護衛ではないのではないかと思って見た。とにかく、お前から話を聞いているフローラ嬢と、ジェシカ様の護衛騎士を務めているフローラ嬢は別人にしか見えない」