【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「では、団長の目が腐っているのですね」
ふふん、とやはりクリスは機嫌良さそうに呟いた。その機嫌の良さには、また二日後に彼女と会うことができるという嬉しさも含まれている。次に会うときは、彼女の全てを暴くことを約束しているから、それは彼にとっての楽しみでしかない。
その日、クリスは朝から機嫌が良かった。ノルトの執務室を出てからも機嫌は良かった。だからずっと機嫌が良かった。
恐らくそれは、昨日交わした彼女との約束によるもの。
好きな女性を抱くことができる。これに喜びを感じない男性がいるのだろうか。
否。
いるわけがいない、とクリスは思っている。
だが、その次の日。その彼の機嫌の良さを覆すような出来事が起こってしまった。
「職務中だ、その手を放せ」
凛々しい女性の声が聞こえてきたのは、王宮の図書室からの帰り道だった。何事かと思い、クリスはその声がした方に足を向けた。いや、いつもの彼であるなら、無視をしてすぐさま研究室に戻ってその本の続きを読むべきところ。だが、その凛々しい女性の声に聞き覚えがあったからつい足を向けてしまったのだ。
ふふん、とやはりクリスは機嫌良さそうに呟いた。その機嫌の良さには、また二日後に彼女と会うことができるという嬉しさも含まれている。次に会うときは、彼女の全てを暴くことを約束しているから、それは彼にとっての楽しみでしかない。
その日、クリスは朝から機嫌が良かった。ノルトの執務室を出てからも機嫌は良かった。だからずっと機嫌が良かった。
恐らくそれは、昨日交わした彼女との約束によるもの。
好きな女性を抱くことができる。これに喜びを感じない男性がいるのだろうか。
否。
いるわけがいない、とクリスは思っている。
だが、その次の日。その彼の機嫌の良さを覆すような出来事が起こってしまった。
「職務中だ、その手を放せ」
凛々しい女性の声が聞こえてきたのは、王宮の図書室からの帰り道だった。何事かと思い、クリスはその声がした方に足を向けた。いや、いつもの彼であるなら、無視をしてすぐさま研究室に戻ってその本の続きを読むべきところ。だが、その凛々しい女性の声に聞き覚えがあったからつい足を向けてしまったのだ。