【受賞】国をあげて行う政策によって付き合いを始めた二人のお話。
「ブレナンが血相を変えて俺んとこに飛んできたんだよ」
ブレナン――。
その名をクリスは耳にしたはあるのだが、どのような人物で何をしている者かということまでは思い出せない。
「そのブレナンとは、どちら様ですか?」
だからクリスはそう聞いた。
「お前なぁ……。フローラ嬢の上官その二だ。彼女は護衛騎士隊でありながら魔法騎士だからな。その魔法騎士の一番の古株だ。そりゃもう、フローラ嬢を目に入れても痛くないくらい可愛がっている」
「まるで父親のようですね」
「そりゃそうだ。ブレナンとフローラ嬢は親子くらい年が離れているからな」
「では、彼女のお父様にご挨拶に伺った方がよろしいですかね。娘さんをください、と」
「お前もそういう冗談は言えるようになったんだな」
はは、と乾いた笑いを浮かべているノルトは、どこか困ったような表情を浮かべていた。
クリスはまだまだ魔石に魔力を送りこむ必要があるため、視線は手元の魔石に向けたままだ。だから、彼のその困ったような表情を目にしたわけではないが、なんとなくそうなんだろうと悟っただけだ。
ブレナン――。
その名をクリスは耳にしたはあるのだが、どのような人物で何をしている者かということまでは思い出せない。
「そのブレナンとは、どちら様ですか?」
だからクリスはそう聞いた。
「お前なぁ……。フローラ嬢の上官その二だ。彼女は護衛騎士隊でありながら魔法騎士だからな。その魔法騎士の一番の古株だ。そりゃもう、フローラ嬢を目に入れても痛くないくらい可愛がっている」
「まるで父親のようですね」
「そりゃそうだ。ブレナンとフローラ嬢は親子くらい年が離れているからな」
「では、彼女のお父様にご挨拶に伺った方がよろしいですかね。娘さんをください、と」
「お前もそういう冗談は言えるようになったんだな」
はは、と乾いた笑いを浮かべているノルトは、どこか困ったような表情を浮かべていた。
クリスはまだまだ魔石に魔力を送りこむ必要があるため、視線は手元の魔石に向けたままだ。だから、彼のその困ったような表情を目にしたわけではないが、なんとなくそうなんだろうと悟っただけだ。