先輩が愛してくれた本当のわたし
時刻は夜の七時前。
日が落ちてからまだそんなに時間はたっていないが、すっかり暗くなった。
夜景の美しさを目に焼きつけつつ、手を繋いで車に戻る。
「ちょっと冷えたからあったかいものでも食べに行くか」
「うどんとか?」
「いいねぇ、うどん好き」
「最近スーパーで売ってる冷凍の鍋焼きうどんにハマってて……」
「それって緑のパッケージのやつ? あれ超美味いよなー!」
「ですよね! コスパもいいし!」
「じゃあそれにする? 俺んちで。どうせなら泊まっていけよ。俺、全然リカちゃんを帰したくないんだけど」
「うん、私も……帰りたくなくてどうしようかと思ってた」
リカがはにかむように笑えば、航太は「うわー」と唸りながら両手で顔を覆う。
「ちょ、先輩?」
「どうしよう、幸せすぎて死ぬかもしれん」
「もう、大げさだなー」
ふふっと笑うも、リカも同じ気持ちだった。
航太と過ごすとまるで自分が物語のヒロインになったかのように錯覚する。
心ときめく恋愛は漫画やドラマの世界だけじゃなかった。リカが知らなかっただけで、現実にもあったのだ。
航太の握る手がくっと強くなった。
リカは航太を見上げる。
「今日、さ」
「うん」
「……この前の続きしてもいい?」
続きとは、と考えてリカは一瞬で体が熱くなる。
体の奥の方に疼きを認めて、自分も航太同様それを望んでいるのだと感じた。
「うん、……しよう?」
ニコッと微笑んでみせれば、航太は感極まったかのようにぐすっと鼻を鳴らす。
「先輩泣いてる?」
「やっぱり俺死ぬかもしれん」
「なんでそうなるの?」
「リカちゃんのことが好きすぎてどうしたらいいかわからん」
「もう無駄に緊張するからやめてくださいよ。ハードル上げないで」
困ったように笑えば航太も困ったように笑う。
意味が分からなくて可笑しくなって二人で笑い転げた。
日が落ちてからまだそんなに時間はたっていないが、すっかり暗くなった。
夜景の美しさを目に焼きつけつつ、手を繋いで車に戻る。
「ちょっと冷えたからあったかいものでも食べに行くか」
「うどんとか?」
「いいねぇ、うどん好き」
「最近スーパーで売ってる冷凍の鍋焼きうどんにハマってて……」
「それって緑のパッケージのやつ? あれ超美味いよなー!」
「ですよね! コスパもいいし!」
「じゃあそれにする? 俺んちで。どうせなら泊まっていけよ。俺、全然リカちゃんを帰したくないんだけど」
「うん、私も……帰りたくなくてどうしようかと思ってた」
リカがはにかむように笑えば、航太は「うわー」と唸りながら両手で顔を覆う。
「ちょ、先輩?」
「どうしよう、幸せすぎて死ぬかもしれん」
「もう、大げさだなー」
ふふっと笑うも、リカも同じ気持ちだった。
航太と過ごすとまるで自分が物語のヒロインになったかのように錯覚する。
心ときめく恋愛は漫画やドラマの世界だけじゃなかった。リカが知らなかっただけで、現実にもあったのだ。
航太の握る手がくっと強くなった。
リカは航太を見上げる。
「今日、さ」
「うん」
「……この前の続きしてもいい?」
続きとは、と考えてリカは一瞬で体が熱くなる。
体の奥の方に疼きを認めて、自分も航太同様それを望んでいるのだと感じた。
「うん、……しよう?」
ニコッと微笑んでみせれば、航太は感極まったかのようにぐすっと鼻を鳴らす。
「先輩泣いてる?」
「やっぱり俺死ぬかもしれん」
「なんでそうなるの?」
「リカちゃんのことが好きすぎてどうしたらいいかわからん」
「もう無駄に緊張するからやめてくださいよ。ハードル上げないで」
困ったように笑えば航太も困ったように笑う。
意味が分からなくて可笑しくなって二人で笑い転げた。