先輩が愛してくれた本当のわたし
初めて敦志とシてから、高校在学中はもうそういう行為はしなかった。
大学に入って、今度はきちんと恋愛しようと思い、ゼミで意気投合した同級生と付き合ったけれど、リカは男女の行為に嫌悪感を持ってしまっていたし、彼は初めてだったためにどうにも上手くいかず、そこからぎこちなくなってしまって自然消滅した。
別に恋愛したくないだとか、結婚したくないだとか、そんなことは思っていない。
リカだって普通に恋愛して結婚して子供を産んで……ということを夢見る女子だ。
ただ初めてがほんのちょっとトラウマになっているだけで。
だから次は年上の経験豊富な人とお付き合いしようと心に決めた。
それだったらきっと上手くリードしてくれるし、そういう行為に及んでも嫌悪感なくできるんじゃないかと思ったからだ。
そうして順調にお付き合いした一回り以上年上のおじ様は、イケメンダンディだったもののバツイチ子持ちで、リカに子供の母親役を求めた。
それだけでドン引きなのに、夜の事情の方はというと、結局リカがときめくようなことはなく、やはり自分はそういうことは向いていないのかもな、と思わざるを得ない結果になった。
心ときめく恋愛は漫画やドラマの世界だけでいい。
現実にそういうときめきはないから、だからみんな別の世界で妄想をするのだ。