辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「だけど……あれだけの敷地にライトアップやイルミネーションなんて、設備費、電気代が高額だろうな」

 それにはやはり政略結婚をして援助してもらい、クレストピアグループを立て直さなくてはならない。

「はぁ~」

 ため息をついたとき、ポンと肩が叩かれた。

「遅くなってごめーん。なになに? ため息ついてどうしたの?」

 親友の今井(いまい)尚子(なおこ)が目の前の椅子に座り、手に持っていた泡たっぷりのカフェラテのカップをテーブルに置く。

 アルバイトのない二十六日の正午、友人たちと会うために恵比寿駅近くのコーヒーショップで待ち合わせをしていた。

「いろいろあって……。あれ? 明日香(あすか)は? 一緒に来ると思ったんだけど」

 私は半分に減ったココアを口にする。

「もーう、スマホ見てないでしょ。寝坊したから遅れるって」

 尚子はあきれた顔になる。

 私たちは高校から一緒で、仲のいい友人だ。

「明日香の寝坊は今に始まったことじゃないね」

 彼女は寝るのが大好きと豪語するだけあって、頻繁に寝坊する。

 バッグからスマホを取り出して、明日香のメッセージを確認した。

「それよりもさ、〝いろいろあって〟って、大丈夫?」

「う……ん……。明日香が来たら話してもいい?」

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