辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「一カ月も……そんな長くだなんて……。相手はどんな人なの?」
尚子に私は首を横に振る。
「封筒に入った写真をお父さんからもらったけれど、見ていないの。実際に顔を知ったら怖気づいてしまうから」
「そう言うってことは、縁談を受けるって決めたのね?」
「和泉!」
冷静さを失わない尚子と反対に、明日香はさらに激怒していて、周りの客に一瞬注目されてしまった。
「明日香、しーっ。熱くならない」
尚子が顔の前で指一本を立ててたしなめる。
「ごめん……」
謝る明日香に、私は小さく笑みを浮かべる。
「ううん。ふたりの反応を見たら、政略結婚なんて今どき時代遅れだし、恋愛は自由にするべきだって思ったわ」
「じゃあ、断るのね?」
愁眉を開いた尚子がテーブルに腕を置いて身を乗り出し、明日香も期待の目で見つめてくる。
ふたりの顔に視線を動かしてから、首を左右に振った。
「え?」
彼女たちはいっせいにキョトンとなる。
「私の母は浮気をして出ていって、その揚げ句事故で亡くなったのは知っているよね? でもその後育ててくれたお母さんのことは大好きだし、香織や櫂は本当にかわいい。私は家族を心から大事に思っているの。将来は櫂にクレストピアグループを担ってもらいたい。だから、どうにか赤字を脱却したいの」
「ちょっと! 政略結婚をするって言っているの?」
尚子に私は首を横に振る。
「封筒に入った写真をお父さんからもらったけれど、見ていないの。実際に顔を知ったら怖気づいてしまうから」
「そう言うってことは、縁談を受けるって決めたのね?」
「和泉!」
冷静さを失わない尚子と反対に、明日香はさらに激怒していて、周りの客に一瞬注目されてしまった。
「明日香、しーっ。熱くならない」
尚子が顔の前で指一本を立ててたしなめる。
「ごめん……」
謝る明日香に、私は小さく笑みを浮かべる。
「ううん。ふたりの反応を見たら、政略結婚なんて今どき時代遅れだし、恋愛は自由にするべきだって思ったわ」
「じゃあ、断るのね?」
愁眉を開いた尚子がテーブルに腕を置いて身を乗り出し、明日香も期待の目で見つめてくる。
ふたりの顔に視線を動かしてから、首を左右に振った。
「え?」
彼女たちはいっせいにキョトンとなる。
「私の母は浮気をして出ていって、その揚げ句事故で亡くなったのは知っているよね? でもその後育ててくれたお母さんのことは大好きだし、香織や櫂は本当にかわいい。私は家族を心から大事に思っているの。将来は櫂にクレストピアグループを担ってもらいたい。だから、どうにか赤字を脱却したいの」
「ちょっと! 政略結婚をするって言っているの?」