辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
クルーズ船のタラップの下辺りへ乗客たちが注目しているので、私もそちらへ視線を落とした。
そこには、スーツを着た年配の男性と白い制服姿の男性が立っていた。白い制服姿の男性は船長のようで、花束を受け取っている。
ふたりは固く握手を交わし、船長はその場を離れクルーズ船に乗り込んだようだ。
その間、港に演奏が響き渡っていた。
少ししてふいに離岸の汽笛が大きく鳴った。その音を合図に演奏は終了し、紙テープがあちこちから飛び始める。私も陸に向かって紙テープを投げた。
飛び交うテープとともに、色とりどりの風船も空へ飛んでいく。
とうとうこれからお見合いの旅が始まるのだ。
出航を祝って、シャンパンがスタッフから振る舞われ、細長いグラスを口へ運びながら辺りに才賀さんらしき人がいないか見回す。
ひとりでいる三十代前半の男性は見あたらないが、夫婦なのか恋人同士なのかカップルは数組見かけている。
気づけばクルーズ船はしだいに横浜から離れていた。
才賀さんが部屋に来るのではないかと思うと気が気でなく、船内を見学したい気持ちもあったが室内へ戻る。
待っている間って、ほんと落ち着かない。
ソファに腰を下ろし、チェックインしたときにもらったビニールポーチを開けて中身を出した。
そこには、スーツを着た年配の男性と白い制服姿の男性が立っていた。白い制服姿の男性は船長のようで、花束を受け取っている。
ふたりは固く握手を交わし、船長はその場を離れクルーズ船に乗り込んだようだ。
その間、港に演奏が響き渡っていた。
少ししてふいに離岸の汽笛が大きく鳴った。その音を合図に演奏は終了し、紙テープがあちこちから飛び始める。私も陸に向かって紙テープを投げた。
飛び交うテープとともに、色とりどりの風船も空へ飛んでいく。
とうとうこれからお見合いの旅が始まるのだ。
出航を祝って、シャンパンがスタッフから振る舞われ、細長いグラスを口へ運びながら辺りに才賀さんらしき人がいないか見回す。
ひとりでいる三十代前半の男性は見あたらないが、夫婦なのか恋人同士なのかカップルは数組見かけている。
気づけばクルーズ船はしだいに横浜から離れていた。
才賀さんが部屋に来るのではないかと思うと気が気でなく、船内を見学したい気持ちもあったが室内へ戻る。
待っている間って、ほんと落ち着かない。
ソファに腰を下ろし、チェックインしたときにもらったビニールポーチを開けて中身を出した。