辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 6デッキを離れ11デッキへ行くと、プールやカフェ、そこにもカジュアルなレストランがいくつかある。

 おなかすいたな。

 まだ混んでいないステーキグリルレストランで食事をすることにした。



 初めての寄港地のサイパンへ到着するまでの三日間、船内の最上階にあるスカイデッキのフィットネスジムでヨガ教室に参加したり、スパでお湯に浸かりながらゆっくり紺碧の海を眺めたり、カルチャー教室ではハワイアンキルトを習ったりして過ごした。

 ひとりで参加する私が珍しいのか、教室やレストランでは祖父母くらいの年齢の人たちからフレンドリーに話しかけられる。

 船室は快適だし、食事も好きなものを食べられる。人が恋しくなったらカルチャー教室に参加すれば話もできるので、心の隅に残るお見合いの件を除けばとても楽しい時間を過ごせている。

 各宿泊デッキにはセルフランドリーサービスルームがあり、洗濯乾燥機が使える。

 私も二日分の洗濯物がたまったところで一度利用した。

 出航の翌日にあった船長主催のウエルカムパーティーでは、継母と一緒にデパートで選んだパーティードレスを着た。

 クルーズ船に乗る目的はお見合いなので、父から数着購入するように指示されたのだ。それも無駄遣いで終わってしまったが……。

 明朝、最初の寄港地サイパンへ到着する。

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