辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
たった今撮ったものをスマホの画面をスライドさせながら見ていると、ふいに視線を感じて顔を上げる。二メートルくらい離れたところに、バックパックを背負った二十代から三十代と年齢が読めない外国人男性がいて目が合った。
赤毛の短髪で口ひげを蓄えたその男性が、笑顔でこちらに手を振っている。
え? 私……?
うしろを振り返るが誰もおらず、やはり私に手を振ったようだ。
外国人はフレンドリーだし……。
やんわりと笑みを返してその場を離れ、すぐ近くにいたツアー客の後に続いてキュランダ高原鉄道に乗り込んだ。
車内はふたりないし三人掛けのソファシートで、向かい合わせになっている。外国人の老夫婦が座っている席の対面に座った。
そこへ先ほどの外国人男性が来て、私の席の横に立った。
「やあ、ひとり? キュランダ村へ行くんだろう? 一緒に行こうよ」
英語で話しかけられた。
私、ナンパされてる? ここはわからないふりをしておいた方がいいよね。
言葉がわからないふりで、首を少しだけ倒す。
外国人男性は「英語がわからないのか。まあ、かまわない。二時間の時間つぶしになるだろう」と言って、大きなバックパックを下ろして隣に座ろうとした。
到着するまでずっと隣にこの男性がいるのは困る。
思わず立ち上がったとき――。
「君、そこをどいてくれないか? 彼女の連れだ」
赤毛の短髪で口ひげを蓄えたその男性が、笑顔でこちらに手を振っている。
え? 私……?
うしろを振り返るが誰もおらず、やはり私に手を振ったようだ。
外国人はフレンドリーだし……。
やんわりと笑みを返してその場を離れ、すぐ近くにいたツアー客の後に続いてキュランダ高原鉄道に乗り込んだ。
車内はふたりないし三人掛けのソファシートで、向かい合わせになっている。外国人の老夫婦が座っている席の対面に座った。
そこへ先ほどの外国人男性が来て、私の席の横に立った。
「やあ、ひとり? キュランダ村へ行くんだろう? 一緒に行こうよ」
英語で話しかけられた。
私、ナンパされてる? ここはわからないふりをしておいた方がいいよね。
言葉がわからないふりで、首を少しだけ倒す。
外国人男性は「英語がわからないのか。まあ、かまわない。二時間の時間つぶしになるだろう」と言って、大きなバックパックを下ろして隣に座ろうとした。
到着するまでずっと隣にこの男性がいるのは困る。
思わず立ち上がったとき――。
「君、そこをどいてくれないか? 彼女の連れだ」